コラムページ
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歯の亀裂
2018年3月15日
歯の痛みや、冷たいものがしみることを主訴に来院される患者さんは多くいらっしゃいますが、その方々の歯のレントゲン写真を撮影しても、レントゲン上問題ないことがあります。
虫歯なら、黒く抜けてるのでわかりますが、黒くなってないために、視診でもわかりません。何が、原因なのか?ブラキシズム(歯ぎしりや)、クレンチング(食いしばり)よるものや、かみ癖、固いものを好んで食べることなどが考えられます。
最も難しいのは、エナメル質に亀裂が入り、象牙質にある、象牙細管につながり、外部からの刺激、多くは、口腔細菌や、食べ物などの化学物質、冷温刺激、歯の早期接触などで、歯髄(歯の神経)が痛んでる状態です。歯の亀裂の近くは、すごくしみて、歯に当たるとひどく痛みます。
どうしても、痛みが止まらない場合だけ、抜髄(歯の神経をとる処置)しますが、なるべく、神経は保存し、保存療法を試みています。
歯の神経がある場合は以上のようなことになりますが、歯の神経がすでにない時は、枯れ木みたいな状態なので、亀裂が入ったときは歯根破折になることが多く、抜歯になることもあります。
CAD/CAM冠ハイブリッドセラミックス
2018年3月12日
CAD/CAM冠はハイブリッドセラミックスのブロックをCAD/CAMという機械で削り出して作る被せ物です。保険適用内のもので、従来のHJC(Hard Jccket Crown)と言われていた、白いプラスチックの被せ物よりは硬く、見栄え、耐久性もいいです。第一小臼歯、第二小臼歯(真ん中から数えて、4,5番目)に適用。ゆえに、そのCAD/CAMという、機械がない技工所では作れないわけです。そして、そのような技工所(厚生労働省が認可したところ)と取引がない歯科医院では作れないということになります。
審美性(見栄え)においては、オールセラミック(自費)>CAD/CAM冠>HJC>銀歯という、序列になります。 費用は保険適用内なので、6000円ほどとなります。ただし、噛み合わせ(上の歯と下の歯の隙間が著しく狭い場合)は、治療ができないこともあります。(何度も破折する可能性があるためです。)
自費のオールセラミックと比べると、色調がそれほど多くなく、レジンを含むため、耐久性が低く、変色もしやすいです。末永く満足のいくものを求めるならば、自費のオールセラミックとなります。
不正咬合をそのままにしてはいけないのは何故?
2018年3月7日
不正咬合をそのままにしてしまうと、以下の症状が考えられます。
1)見た目が良くない。
上顎前突や反対咬合は、不正咬合の1種と前回お話ししましたが、噛み合わせの異常は、見た目が良くないし、顔全体の雰囲気をも左右します。歯並びや噛み合わせが気になると、笑顔も減って、いつも暗い雰囲気の人というイメージが植え付けられます。それでは、本当の自分をアピールする機会も失ってしまいます。
2)虫歯や歯周病になりやすくなる。
歯並びや噛み合わせが良くないと、歯に汚れがつまりやすく、歯ブラシも当てにくいので、とても虫歯や歯周病のリスクが高くなります。その結果、清潔に口腔内を保つのが難しくなり、口臭もするようになってしまいます。
3)口呼吸になりやすい。
不正咬合で上下の歯がうまくかみ合わず、口が閉じにくいので、口呼吸になりやすいです。口呼吸はドライマウス(口腔内が乾燥)を引き起こし、細菌が繁殖しやすくなるために、虫歯や歯周病や口臭を引き起こします。
4)食べ物が噛めない。
上下の歯でしっかり噛むようにしないと、食べ物をうまく噛めない咀嚼障害を引き起こします。また、舌や顎の動きも悪くなるので、唾液が正常に分泌されずに、食べ物を飲み込みづらく嚥下障害になることもあります。
5)咬合性外傷
かみ合わせが悪いと、特定の歯にのみ負担がかかり、歯をを支える歯槽骨、歯根膜(クッションの役目を果たす)に与えます。このことを咬合性外傷と言います。
歯の摩耗や破折だけではなく、噛んだ時の痛みや、知覚過敏を引き起こしたりします。それによって、歯周病の進行をはやめてしまうことにつながります。
6)滑舌(かつぜつ)が悪くなる。
歯並びや噛み合わせが悪いと、息がもれて、発音に障害がでたり、舌や唇がうまく機能せず、滑舌が悪くなることがあります。悪習癖にもつながってきますので、早いうちに、そのくせを取り除く訓練や装置が必要な矯正治療が必要になってきます。
7)顎関節症
かみ合わせが悪いと、噛むたびに顎がずれて、骨に負担がかかります。このように、不安定な咬合が続くと、顎関節症を引き起こします。
顎関節症の症状には、口を開いたときに痛みを生じる、関節から音が鳴る、口が開けられないなどが挙げられます。そのリスクが高い不正咬合としては、上顎前突、反対咬合、交叉咬合があります。
また、その症状としては、肩こり、腰痛、頭痛を引き起こすこともあります。関連症状としては、耳鳴りや、腕のしびれも見られます。
不正咬合の原因
2018年3月5日
1)顎の成長異常によるもの
上顎と下顎のどちらかが異常に発達してしまうと、歯が歯列から外れて、歯列の外側や内側に生えてきてしまいます。また、隙間が空いて、生えたりして噛み合わせに異常を来たします。
顎の骨の形は遺伝も関連しており、上顎前突や反対咬合は親から遺伝が多い症状の1つです。
2)歯の先天的な異常によるもの
生まれつき歯がないことを先天的欠損歯といい、通常より歯が多く生えてきてしまうことを過剰歯といい、どちらも、不正咬合の原因となります。過剰歯は上顎前歯部に生えてくることが多く、そのため、中切歯と呼ばれる、真ん中の歯が、開いてしまうことがあります。通常は、抜歯となります。
3)口腔悪習癖によるもの
幼少時の指しゃぶりや、舌を前に出す舌突出癖、唇を噛む咬唇癖、唇を吸う吸唇癖や、舌で下の前歯を押すことは、歯列や噛み合わせに悪影響を及ぼします。口呼吸も顎の成長の阻害する要因となります。
頬杖や同一方向を向いて寝ることや、うつぶせで寝ること、いつも同側でものを噛むなど、無意識下で行われることによっても、歯列は動き、噛み合わせに悪影響を及ぼします。
4)食生活の影響
柔らかいものばかり食べると、顎の成長が進まず、歯の生えるスペースが確保出来ず、噛み合わせに悪影響を及ぼします。
5)外傷によるもの
幼少時に口元を強くぶつけると、永久歯が歯列の外側、または、内側に生えてきたり、異常な位置に生えてきたり、全く生えてこないこともあります。また、事故などにより、顔面骨折して、歯が破損すると、顎の骨のずれから、歯列や噛み合わせに異常を来たします。
6)歯の生え変わりがうまくいかないとき
虫歯等が原因で、乳歯が脱落すると、となりの乳歯が傾斜してきて、永久歯が生えるスペースがなくなり、歯列から外れて、生えてきてしまいます。また、歯が抜けるのが遅くなっても同様のことが起こります。
叢生と呼ばれる、不正咬合になりやすいのです。