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認知症と入れ歯の関係について
2017年10月26日
認知症とは、脳の細胞が、何かの理由で、死んでしまい、記憶力、判断力、運動能力精神状態に異常が出てしまうことを言います。現在、日本は高齢化社会になり、2025年には65歳以上の人の5人に1人、2060年には3人に1人が認知症になると予想されています。
認知症には何種類かあり、その中で、アルツハイマー型認知症が最も多いのです。記憶力に障害が表れ、出来事をすべて忘れてしまうのが特徴で、何を食べたのかではなく、食事をしたこと自体、忘れてしまうのです。
原因は脳神経細胞の老廃物である、アミロイドβやタウたんぱく質の蓄積によって起こります。このたんぱく質は健康な脳では分解されてなくなりますが、廊下によって、分解機能衰えると、どんどん蓄積され、脳神経細胞を傷つけたり、死滅させてしまうのです。
年齢を重ねることが一因ではありますが、高血圧や糖尿病などの人のほうが、健康な人に比べて、アルツハイマー型認知症になるリスクが高くなると言われています。また、脳卒中など、脳の血管の病気がきっかけで起こる、脳血管性認知症があります。血管が詰まってしまうことで、脳に酸素が供給できなくなり、神経細胞が死滅してしまうのです。高血圧や糖尿病と関係が深いため、生活習慣の改善も必要となってくるわけです。
なぜ、入れ歯が認知症を予防するのか?
1)脳の活性化
しっかり噛むことで、脳が活性化し、記憶を司る海馬の細胞が回復すると言われてます。あごを動かすと、口の周りの筋肉を動かすと、血流も良くなり、脳に酸素や栄養が行き届きます。よく噛んで食べると、唾液が分泌され、味覚もさえてきて、食べ物がおいしく感じるようになります。
入れ歯を入れて、よく噛むことで、死んだ脳細胞を生き返らせ、、記憶力低下の防止につながります。
2)糖尿病や高血圧の予防
しっかり噛むことによって、唾液が出て、食べ物を柔らかくして、胃腸に負担をかけずに、消化できます。また、満腹感が得られ、血糖値も上がりくくなり、肥満や糖尿病を予防できます。
3)咬合の回復
歯が残ってる本数が多い人のほうが、ほとんど歯が残ってない人に比べて、認知症になるリスクが低いことが分かっています。歯周組織には、歯根膜というものがあり、噛んだときの衝撃を和らげるクッションの役目を果たし、噛んだ刺激を脳に伝え、脳を活性化する働きがあります。
歯を失うと、この歯根膜を失うだけではなく、その前後の歯、または、それに対合する歯の3本に影響します。歯は、歯のない方向に動く習性を併せ持ちます。前後の歯は、
歯がない方向に倒れてきますし、対合する歯は、歯のない方向に出てきます。このように、歯の移動を防ぐ意味での保定装置としても、入れ歯は活躍するのです。
ただ、治療方法が入れ歯しか手がないわけではなく、インプラント、ブリッジなどで、対応できるならば、そちらで、治療したほうが噛む力が落ちません。入れ歯を入れると噛む力が1/3程度になるからです。
左右両方の奥歯で噛みしめることは、とても重要なことで、運動するときの瞬発力や踏ん張り、転ぶことがなくなり、骨折の可能性も低くなります。高齢者の方は寝たきりになる可能性があり、そこから認知症になることもあるからです。そのためにも、しっかりと噛めることが非常に重要な意味を持つわけです。
重要なのは、入れ歯にしろ、他のものにしろ」、しっかりと噛めることです。口腔機能が健康にどれだけ、影響を与えるかを知ることであり、口腔機能を保つためにどれだけがんばれるか、または、その周りの方がフォローできるかが、ポイントになってきます。
歯の神経を抜くとどうなる?
2017年10月21日
歯の神経は冷たいものを食べたときにしみたり、虫歯になると痛みを感じたりします。この症状がひどくなると、神経を抜く治療(根管治療)をします。この根管とよばれるところに歯髄があり、それをきれいに取り除き、根管内を洗浄、消毒後、薬をつめます。
それでは、どんなときにこの根管治療をするのでしょうか?
1)【虫歯がひどく、痛みが続いてるとき。】歯は外側からエナメル質(C1)、象牙質(C2)、歯髄(C3)となっており、かっこの中の数字が大きいほど重症です。歯髄炎と呼ばれるもので、ズキズキと脈を打つような痛むが続きます。
2)【歯周病が進行してるとき。】歯周組織の炎症が歯根の先まで広がると、歯根の外側から内部の神経にまで、影響を及ぼすことがあり、お口の中で見えてる歯の部分ではなく、歯根部分の歯周組織から炎症を起こすので、逆行性歯髄炎、上行性歯髄炎と呼ばれています。
3)【歯が割れたり、折れたりしたとき。】露髄(神経がむき出し)状態になると、痛みを感じたり、その部分から、細菌が入り込み感染するので、神経を抜く処置が択されます。
4)【知覚過敏がひどいとき。】薬を塗ったり、コンポジットレジン(プラスチック)をつめても、症状が良くならないときは、致し方なく、神経を抜く処置をせざるを得ないこともあります。
神経を抜いた歯はどのようになるのでしょうか?
1)痛みを感じたり、歯がしみたりしなくなります。神経は、いわば、信号の役目を果たしてるわけです。
神経がある場合は、症状がでたら、その時点で、治療に入れますが、神経がない場合は、「治療しなさい。」という、信号がなくなるので、かなり症状が進んでからになるので、治療の時間が長くなります。
2)神経を抜く処置をすると、血液が通わなくなるので栄養が行き渡らなくなり、枯れ木みたいな状態になるので、歯自体がもろくなります。そのため、金属やレジンコア、ファイバーコアで補強してから、金属、または、セラミックなどをかぶせる治療が必要となります。
3)歯が変色して、黒くなります。前歯でこの状態で治療を終えてる方もいらっしゃいますが、歯自体がもろくなるため、最終的にはセラミックなどを被せたほうが、見た目もとてもきれいになります。
「歯がかゆい?」「口の中に違和感がある。」はどんなとき?
2017年10月18日
1)『歯周病』歯周病が原因で歯ぐきがかゆくなるときがあります。それは、歯と歯茎の隙間の「歯周ポケット」と呼ばれるところに、歯石やプラークがたまって、歯ぐきが炎症を起こすからです。歯周病が進行すると、歯周組織の破壊につながり、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
30代以上の日本人の8割が歯周病にかかってると言われています。
2)『う蝕(虫歯)』う蝕の中でもC3と言って、神経(歯髄)まで虫歯が進行をしてるときに、かゆい?ムズムズする感覚がでることがあります。この場合は、歯髄炎といって、麻酔抜髄処置を施さなければならない状態です。歯の神経をとり、根管の中の細菌をきれいにとり、洗浄する必要があります。
3)『萌出性歯肉炎(6~15歳くらい)』 乳歯から永久歯に生え変わるときに、永久歯が歯ぐきをつきやぶって生えてくるときにも、かゆくなります。歯がしっかりと生えてくれば、そのかゆみもなくなります。成長の一過程とお考え下さい。
4)『智歯(親知らず)18歳~ 』第三大臼歯とも言われ、真ん中の前歯から数えて8番目にあたる歯のことを言います。親離れしなどてから生えることが名前のゆらいとなっています。手前の歯に対して、斜めに生えてるときは、歯肉の腫脹をくりかえすことがあります。その理由は、歯と歯茎の中に食べ物が入り、そこの部分が不潔域になるからです。また、真横に生えてるときは手前の歯を押す感覚が歯列(歯並び)に影響を及ぼすこともあります。
5)『歯ぎしり』歯を食いしばると、自分の体重と同等の力がかかってると言われてます。歯ぎしりや歯を食いしばってるときは、強い力が加わり、歯周組織の歯根膜が炎症を起こすと、むずかゆい感じになります。この状態が続くと、歯にひびが入ったり、割れることがあります。対策としては、マウスピースを入れて歯と顎関節を保護する治療がいいでしょう。
6)『ストレス、体調不良』仕事が忙しかったり、寝不足、疲れによって、または、風邪をひいたりしたときは、歯がかゆくなるのは、免疫能力が低下し、細菌に感染しやすくなるからです。
7)『アレルギー』食物アレルギーは、りんごやさくらんぼやナッツ類または、野菜などを食べたときに歯ぐき、頬粘膜、に腫れた感覚やしびれを感じることがあります。この場合は、原因と考えられるものを食べない様にすることで収まってきます。また、金属アレルギーの場合は、まずは、どの金属がアレルギー反応を引き起こしてるかを大学病院などで、検査し、口の中の金属(ほとんどは保険診療内のもの)を除去し、オールセラミックなど、まったく金属を使用しないものに換えたほうが良いでしょう。
以上、7つほど原因と考えうるものを挙げてみましたが、1番の治療法は自宅での毎日の丁寧なブラッシングと、歯科医院での定期的な検診(歯石除去を含む)です。嫌なところで敷居が高いかもしれませんが、歯科医院を訪れない期間が長ければ長いほど、治療にかかる時間、費用が増します。買い物、仕事の帰りでも構いません。ご予約をとったほうが、治療の時間、それに付随する説明をふんだんにできます。お気軽にご連絡ください。
虫歯と頭痛
2017年10月16日
頭痛を引き起こす原因はいくつかあります。その例をいくつか挙げてみましょう。お口の中にはたくさんの神経があり、虫歯がひどくなると、顔面や頭のほうにまで影響を及ぼすこともあります。虫歯は細菌による感染症です。特に上顎第一大臼歯の虫歯を放置したりすると、細菌の感染が歯根の先、上顎洞の粘膜にまで広がります。これを歯性上顎洞炎と言います。これは頭痛や、鼻づまりや、頬の圧迫感、目の痛みなどを引き起こします。走ったりすると、膿がたまったところが痛むこともあります。パノラマレントゲンを撮影したときは、左右どちらかにその症状があるときは、正常なほうとくらべると、白く写るので、一目でわかります。 最初は、根管治療から始めますが、それで治療の効果が表れないときは、抜歯になります。その後、上顎洞に溜まった膿は洗浄を繰り返すことによって、効果が得られます。
他には、歯を削って、金属を被せたり、詰めたりしたときに、高さが合わないときに、噛み合わせに異常を来たします。噛み合わせがうまく合わないと、筋肉が緊張した状態になり、肩や首、頭部にまで伝わり、頭痛を引き起こすことがあります。さらには、顎関節にまで影響を及ぼすこともあります。その時は、お口の中で、金属を削り、高さを調整すると痛みもとれます。
また、歯科治療に対して、強い不安があるときに、麻酔などの治療中の痛みを引き起こすショック状態になってしまうことがありますが、安静にしていれば徐々に回復してきます。